のら印BLOG

野良猫のように街を探索し、楽しさを発見するブログ

街歩き

三津屋商店街と中国街道のヴォーリズ建築・神崎川から十三へ

阪急神戸線の神崎川駅に、初めてふらりと来てみました。 大阪梅田駅から3つ目の小さな駅です。 土地勘はありませんが、すぐに「三津屋商店街」のアーケードに出会いました。 アーケードは、駅の西口から南方向へと続いているようです。 左手には、赤い装飾…

かつて上京と下京を繋いだ一本の道・室町通界隈

ちょっと古い話ですが、応仁の乱により衰退した京都の町は、政治都市・上京と、商工業都市・下京の二つの町に分かれてしまったことがあります。 その時代に、上京と下京を繋いだ唯一の道が、室町通でした。 京都駅や京都タワーの北側にある東本願寺。 門前に…

野漠の窪地と広大な長屋街の名残り・空堀商店街界隈

前回訪問したばかりですが、また大阪市中央区にある空堀商店街に来てしまいました。 大阪大空襲で焼け野原となった大阪の中心部で、奇跡的に焼け残った空堀通にある、戦後すぐからの商店街です。 ここは上町台地の北西のへりですから、もともと大きな段差が…

上町台地のへりとノバクの窪地・生玉寺町から空堀商店街へ

大阪の町は平地のように思えますが、その真ん中には、北の大阪城から南の住吉大社に至る南北9km、東西2kmの上町台地が伸びています。 今回は、地下鉄の四天王寺前夕陽ヶ丘駅から、上町台地の北西のへりを歩いてみます。 駅西側にある真光院の門前には…

古代からの面影を残す大阪の街・四天王寺周辺

大阪で、古い時代の面影を最も残しているのではと思われる町に来ました。 大阪市営地下鉄谷町線の四天王寺夕陽ヶ丘駅です。 駅名にある四天王寺は、天王寺の地名の元になった古い寺院。 今回は、その四天王寺界隈を巡ります。 あっ、来年の大阪万博に備え、…

旧造船所界隈にアートが氾濫する街・大阪北加賀屋

大阪市営地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅に来ました。 北加賀屋は、大阪市住之江区にあり、かつては造船業で栄えた町です。 駅前の歩道では、さっそく黄色く円らな瞳のあひるマンホール発見。 これは珍しい。 大阪市のマンホールは、通常、あひるの部分に大阪城…

冥界との境を越えてゆく元五条通・京都松原通

京都の町を東西につらぬく松原通は、近くの四条通や三条通と比べて、華やかな通りではありません。 しかし、豊臣秀吉が町を改造するまでは、この通りが本来の五条通でした。 かつては、平安京の五条大路であり、清水寺への参詣道としても賑わっていたようで…

酒蔵と練羊羹の街で看板を巡る・伏見区大手筋商店街界隈

今回は、味わいのある看板を求めて、京都市伏見区の大手筋商店街へ来ました。 大手筋は、かつて豊臣秀吉が築いた伏見城の大手門から続いていた道です。 伏見城からの坂道を西へ下ってくると、京阪電車の踏切越しに見えてくるのは、大手筋商店街のアーケード…

小さな百済大橋と駒川商店街・大阪東住吉区

大阪市東住吉区にある駒川商店街は、天神橋筋商店街や千林商店街などと並ぶ、大阪を代表する商店街の一つです。 アーケードは、南北に540m、東西に190m続いているようです。 商店街の名前にもなっている駒川は、商店街の少し西側を南北に並行するよ…

庚申街道と針中野の「なかのはり」・大阪東住吉区

今回は、大阪市東住吉区にある近鉄針中野駅周辺を歩きます。 「針中野」とは、面白い駅名です。 しかも、駅周辺には鍼灸院や整骨院がやたらと多い。 針中野の「針」は、鍼灸の「鍼(はり)」と関係がありそうです。 針中野駅の少し東には、近鉄南大阪線と並…

幕府公認の薬種街で看板を訪ねる・京都二条通

今回の看板を巡る小さな旅は、京都の二条通。 二条通は狭い通りですが、かつては政治都市・上京と商業都市・下京を分けた、京都にとって重要な通りでした。 鴨川に架かる二条大橋からのスタートです。 鴨川を越えると、右手に見えてくるのが、「貝葉書院」の…

京都の近代化産業遺産と咲き誇る桜・琵琶湖疎水

桜が満開だったので、京都の蹴上方面から琵琶湖疎水沿いを東へ歩いてみることにしました。 琵琶湖疎水は、着工から5年の難工事を経て1890(明治23)年に完成し、現在では近代化産業遺産に認定されている水路です。 九条山にある旧御所水道ポンプ室前…

京都の「へそ」へと続く看板の道・六角通

今回も、看板を巡る京都の小さな旅です。 歩くのは、三条通の一本南側にある六角通。 西木屋町から途切れながら西へと続く六角通ですが、今回は河原町あたりからスタート。 京都の「へそ」があると言われる、六角堂を目指します。 河原町から六角通に入ると…

味わいのある看板を巡る・御池通から寺町を北へ②

前回は、京都市中京区の寺町通にある商店街「寺町会」を、御池から二条まで北上しました。 今回は、この商店街を丸太町まで歩いて、味わいのある看板を探りたいと思います。 寺町二条にある、創業およそ100年の「熊谷道具處」。 この通りに多い、古美術の…

味わいのある看板を巡る・御池通から寺町を北へ①

今回も、京都で看板を訪ねて歩きます。 これまでも歩いて来た寺町通りを、もう少し北まで歩いてみます。 寺町御池の交差点。 まっすぐに続く細い通りが、寺町通です。 ここから丸太町通までの間に、アーケードはありませんが、「寺町会」という商店街が続き…

日本一長いアーケード商店街と天満駅裏界隈

前回は、大阪市の北浜から天神橋筋を目指して歩きました。 今回は、いよいよ日本一長い天神橋筋商店街に入ります。 1丁目から始まるアーケード。 天神橋筋は、古くから大阪天満宮の表参道として栄えていたようです。 江戸時代には、天下の台所を支えた大坂…

北浜から日本一長い天神橋筋商店街へ

今回は、大阪市にある京阪電車・北浜駅から、日本一長いと言われる天神橋筋商店街を目指して歩きます。 北浜と言えば、大阪の金融街。 地下の駅から出ると、すぐに大阪の経済発展に貢献した五代友厚の像。 その後ろには、存在感のある円筒形の大阪取引所。 …

歴史と絡む老舗の木製看板・寺町通を三条から御池へ

今回は、京都市中京区の寺町通を、三条から北に向かって看板を訪ねます。 アーケードのある、寺町通専門店会商店街の入口。 三条通と御池通の間にある、約200mほどの商店街です。 アーケード入口の右手には、矢田地蔵とよばれる矢田寺。 小さなお寺です…

和菓子木型で縁どられた木製看板・京都姉小路通

趣のある看板を訪ねて、歩き始めています。 今回は、京都市の三条通の一本北側の道である、姉小路通。 京の通り名数え唄にある、「丸、竹、夷、二、押、御池、姉、三、六角・・」に出てくる「姉」ですね。 姉小路通は、東は高瀬川にかかる姉小路橋から始まり…

時代を映し出す看板たち・京都寺町京極商店街

前回から、趣を感じる看板を求めて、京都を歩いています。 今回は、繁華街である三条通と四条通を結ぶ、寺町京極商店街にやってきました。 最近は若者向けの新しいお店も増えてきましたが、まだまだ歴史のあるお店が点在する、落ち着いた商店街です。 寺町三…

趣のある看板を訪ねて・京都三条通

街歩きをしていて、気になるものの一つに看板があります。 特に好きなものが、趣のある年代物の木彫り看板。 そこで今回は、木製看板を中心として、古い看板を探して歩こうと思います。 京都の三条大橋から、西に向かってスタート。 大橋は、改修したばかり…

「打出」と「小槌」の宝寺と大山崎山荘美術館

大阪府との境にある、京都府大山崎町に来ました。 訪れるのは、昨年の夏以来です。 norajirushi.hatenablog.com 阪急大山崎駅のすぐ北側を通る西国街道から、天王山に向かいます。 古い民家の間を抜け、天王山に向かう小路。 角に、「銭原山寶寺」の石柱があ…

旭通商店街とアサヒビール発祥の地・大阪府吹田市

大阪府にある吹田市といえば、万博公園や千里ニュータウンのような、緑豊かな丘陵地ばかりをイメージしてしまいます。 でも、それは吹田をよく知らない私のような人間の、勝手な思い込み。 吹田にも、下町感が漂う街はありました。 JR吹田駅に直結する、サ…

教会のような病院と梅田駅跡、そして中津商店街

阪急電車は、大阪梅田終点に到着するまぎわ、国道176号線と並走します。 国道の右後ろに、阪急電車の小豆色ボディが少し見えています。 ここに、阪急電車の中から見ると、美しい教会に見える建物があります。 丸い塔屋の上にあるのは、どう見ても十字架・…

急傾斜地に建つF.L.ライトの名建築・芦屋川

兵庫県芦屋市にある阪急電鉄芦屋川駅から、少し北に来ました。 芦屋川に架かる、開森橋です。 橋の東詰めからは、右奥に道が登っていきます。 坂道の起点には、「愛称名 ライト坂」の木の看板。 今日は、「近代建築の三大巨匠」のひとり、フランク・ロイド・…

摩耶山麓のレトロな建築と山頂夜景

前回からの続きです。 神戸市灘区の水道筋商店街にある、魅惑的な串カツ一燈園さん。 その前の通りから北を見ると、向こうに摩耶山が少し見えています。 今日は、目の前の坂を登り、この山の頂を目指します。 まっすぐに坂を進むと、左手に小学校。 神戸市立…

王子公園に残る洋館と水道筋商店街の路地奥

阪急電鉄で、神戸市灘区にある王子公園駅に来ました。 駅の西側に、紅葉した王子公園の木々が見えます。 公園のメインは、やはり神戸市立王子動物園。 ジャイアントパンダは、体調管理のために見ることができませんでしたが、レッサーパンダは元気です。 カ…

伏見街道のインクラインと河川港跡・墨染から中書島

京と伏見をむすぶ「伏見街道」に沿って、前回は起点の五条から、中間点の藤森までをたどりました。 今回は、後半として、墨染から終点である河川港・中書島までを見ていきます。 墨染の交差点。 右奥の藤森方面から来た伏見街道は、ここで直角に曲がり、墨染…

伏見街道の石橋と軍都の名残り・五条から藤森

京と伏見の町を南北につなぐ「伏見街道」は、大和街道などとも呼ばれています。 今回は、かつての京都における動脈の一つであったこの街道を、北の端からたどってみようと思います。 まずは、その前半として、中間地点の藤森を目指します。 鴨川より少し東側…

五条楽園跡のタイルと河井寛次郎記念館・陶器の道を歩く

京都市の東部、五条大橋東詰にある京阪電車の清水五条駅です。 後方に、清水寺のある東山を望みます。 東に向けてゆるやかに登るこの先の道は、五条坂。 清水焼の窯元や陶器店が軒をつらねています。 五条坂を登る前に、ちょっと寄り道。 五条大橋西詰を高瀬…