のら印BLOG

野良猫のように街を探索し、楽しさを発見するブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

魚屋道と浜沿いのヴォーリズ建築・神戸市深江

阪神電車で、神戸市灘区にある深江駅に来ました。 駅舎は船をイメージした設計で、この地域の海とのつながりを感じさせてくれます。 そもそも、「深江」という地名は、深い入り江といった意味ですよね。 実際、江戸時代から昭和40年代まで、深江は帆を立て…

摩耶山麓のレトロな建築と山頂夜景

前回からの続きです。 神戸市灘区の水道筋商店街にある、魅惑的な串カツ一燈園さん。 その前の通りから北を見ると、向こうに摩耶山が少し見えています。 今日は、目の前の坂を登り、この山の頂を目指します。 まっすぐに坂を進むと、左手に小学校。 神戸市立…

王子公園に残る洋館と水道筋商店街の路地奥

阪急電鉄で、神戸市灘区にある王子公園駅に来ました。 駅の西側に、紅葉した王子公園の木々が見えます。 公園のメインは、やはり神戸市立王子動物園。 ジャイアントパンダは、体調管理のために見ることができませんでしたが、レッサーパンダは元気です。 カ…

伏見街道のインクラインと河川港跡・墨染から中書島

京と伏見をむすぶ「伏見街道」に沿って、前回は起点の五条から、中間点の藤森までをたどりました。 今回は、後半として、墨染から終点である河川港・中書島までを見ていきます。 墨染の交差点。 右奥の藤森方面から来た伏見街道は、ここで直角に曲がり、墨染…

伏見街道の石橋と軍都の名残り・五条から藤森

京と伏見の町を南北につなぐ「伏見街道」は、大和街道などとも呼ばれています。 今回は、かつての京都における動脈の一つであったこの街道を、北の端からたどってみようと思います。 まずは、その前半として、中間地点の藤森を目指します。 鴨川より少し東側…

五条楽園跡のタイルと河井寛次郎記念館・陶器の道を歩く

京都市の東部、五条大橋東詰にある京阪電車の清水五条駅です。 後方に、清水寺のある東山を望みます。 東に向けてゆるやかに登るこの先の道は、五条坂。 清水焼の窯元や陶器店が軒をつらねています。 五条坂を登る前に、ちょっと寄り道。 五条大橋西詰を高瀬…

琵琶湖畔の宿場町とレトロな建築・大津市

滋賀県の大津湖岸なぎさ公園に来ました。 琵琶湖に面して、大きな「石場の常夜燈」があります。 1845(弘化2)年に建てられ、高さは8.4m。 近くから移設されてはいますが、琵琶湖を渡る舟の目印に使われていたものです。 常夜燈の基壇に刻まれた当…

鴨川を遡行して眺める橋と建築②・三条から出町へ

京都市の東部を流れる、美しい鴨川。 前回は、この川を七条大橋から四条大橋までさかのぼり、橋やレトロな建築を眺めました。 今回は、その続きとして、三条大橋から出町橋までを見ていきます。 三条大橋を、南から見ました。 三条大橋は、かつて江戸の日本…

鴨川を遡行して眺める橋と建築①・七条から四条へ

京都盆地の東部を、南へと流れる鴨川。 今回は、風光明媚なこの川をさかのぼりながら、橋やレトロな建築を見ていこうと思います。 七条大橋からスタートします。 明治末から開始された京都市三大事業の一環として架け替えが進められ、1913(大正2)年に…

屋上には中央大通、地下にはメトロの駅4つ~大阪らしい船場のビルを訪ねる~

大阪の街には、雑多なものを包み込む寛容さを感じます。 今回は、そんな大阪らしい船場のすごいビルを中心に見ていきます。 船場センタービルの1号館。 上部に阪神高速道路や中央大通の高架が見えますが、その下部の1階部分がビルになっています。 このビ…

旧芥川宿とイスラム調のヴォーリズ建築・高槻市

JR京都線で、大阪府にある高槻駅へ来ました。 北口を出て少し北西に歩くと、ちょっと懐かしい雰囲気の商店街があります。 ゲートには、芥川商店街とあります。 高槻市内で最も古く、昭和初期から形成されてきた商店街のようです。 アーケードの長さは、東…

戦災をまぬかれたモダン建築パラダイス・大阪中之島

京阪電車中之島線で、大阪市北区にある渡辺橋駅に来ました。 堂島川と土佐堀川にはさまれた中之島は、大阪市役所や中央公会堂などのある大阪市の中枢であるとともに、水の都・大阪を代表する美しい中州です。 かつて戦災によって焼野原となった大阪ですが、…

「白砂が積もる白川」を志賀越道からたどる・京都市

京都に、白川という川があります。 比叡山麓から生じ、東山近くを北から南へと向かう、ささやかな流れです。 下流のこの風景をみれば、ドラマや映画で良く使われるあの川かと、思い出していただけるかも知れません。 この川は、その名のとおり、川底の白さが…

滑石越で山科から九条湯カフェへ・京都市

良い天気なので、京都市の山科盆地から自転車で東山を越え、南区にある九条湯カフェを目指します。 途中、10月に西京区から京都駅東側に移転予定の、京都市立芸術大学の様子も見てみようと思います。 滑石新大石道の交差点。 山科盆地から京都盆地に入るに…

かつてのメインストリートに建ち並ぶ近代建築群・京都三条通②

前回から、京都で近代建築が数多く見られる三条通へ来ています。 寺町三条をスタートし、烏丸三条周辺を目指して西へ進んでいるところです。 高倉三条の北西角に、煉瓦造の重厚な旧日本銀行京都支店がありました。 現在は、京都文化博物館の別館として公開さ…

かつてのメインストリートに建ち並ぶ近代建築群・京都三条通①

今、京都の東西の通りでメインストリートにあたるのは、大丸京都店や京都高島屋があり祇園にもつながる四条通ではないでしょうか。 しかし、明治末に四条通の幅が広げられて市電が開通するまでのメインストリートは、銀行などが建ち並ぶ三条通でした。 寺町…

湧水のある高架下商店街と清水栄二の建築・神戸御影

阪神電車で、酒どころでもある神戸市東灘区に来ました。 御影駅の駅前には、「澤之井の地」と書かれた碑があります。 ただの石碑ではなく、碑の上部からは水が湧いています。 駅を南側に出て阪神電車の高架下を覗くと、きれいに整備された「沢の井」も。 御…

中世の灯りを支配した小さな町と山荘美術館・京都大山崎

大阪府との境に近い京都府大山崎町に来ました。 こじんまりとしたJR山崎駅。 後方の山は、天王山になります。 駅前には、「天下分け目の天王山 山崎合戦のまち」との碑もありました。 少し西側には、「山崎駅跡」の説明版と発掘調査跡も。 この「山崎駅」…

江戸時代の町場を今にうけつぐ商店街・豊中市岡町

阪急宝塚線で、大阪府豊中市にある岡町駅に来ました。 東口を出ると、駅に面したところから、もう岡町商店街が始まっています。 背後から神社のクスノキが、覆いかぶさるように伸びています。 商店街のすぐ横には、ユニークな形状の石碑。 基壇部には、「江…

元キリスト教会のカフェとムスリムモスク・神戸中央区

国際色の豊かさがみなぎる港町神戸に来ました。 阪神電鉄神戸三宮駅と春日野道駅のあいだに、旧西国街道の石碑があります。 ここから今回はスタートします。 石碑のすぐ前に、黄色い良く目立つ「大安亭(おおやすてい)市場」の看板があります。 市場のアー…

昔の水路と共存する街道の商店街・寝屋川市

京阪電車で寝屋川市駅に来ました。 駅前を寝屋川が流れています。 さほど広い川ではありませんが、市の名前になっているくらいですから、この地域にとっては重要な役割を果たしてきたのでしょう。 寝屋川にかかる外島橋を渡ると、すぐにアーケード商店街にな…

大阪にもある旧居留地の名残り・西区川口

幕末以降の日本が、安政の五カ国条約によって外国人居留地を開いた都市としては、横浜や神戸、長崎が良く知られています。 しかし、東京とともに大坂にもまた、居留地は置かれました。 今回は、大阪市西区川口に残された、旧居留地の跡を訪ねてみます。 大阪…

忘れられた首都・伏見城の遺構をたどる②

前回は、豊臣秀吉と徳川家康の時代に政治首都であった京都伏見の町で、伏見城の遺構をたどりました。 今回は、その城下町を見てみます。 木幡山伏見城の大手門から西へつづく大手筋。 そこにある大手筋商店街のアーケード内から、城の方面を望みます。 城の…

忘れられた首都・伏見城の遺構をたどる①

京都にある伏見の町です。 あちこちに酒蔵が並んでいます。 伏見の町は、現在では京都市伏見区となっていますが、近世においては豊臣秀吉によって整備された京都の南隣にある城下町でした。 伏見の城では、豊臣秀吉が1591(文禄元)年から没する1598…

駅をつらぬく大樹と超レトロ商店街~寝屋川市萱島~

こんにちは、のら印です。 京阪電車に乗って、寝屋川市にある不思議な駅に来てみました。 寝屋川市駅のおとなり、萱島駅です。 2階のホームに降り立つと、目の前に大クスノキが。 ホーム下から伸びてきて、さらに上の天井を突き抜けています。 非日常的な、…

京都のヴォーリズ建築③【左京区編】

こんにちは、のら印です。 京都に現存するヴォーリズ建築を、エリア別、年代順に整理しています。 3回目の今回は、左京区を見ていきます。 【京都大学YMCA会館】 左京区の吉田牛ノ宮町にある京都大学YMCA会館です。 1913(大正2)年竣工の煉瓦造・木造…

京都のヴォーリズ建築②【上京区・北区編】

こんにちは、のら印です。 京都に現存するヴォーリズ建築を、エリア別、年代順に整理しています。 今回は、その2回目。 上京区・北区のエリアを取り上げます。 【京都バプテスト教会】 上京区の河原町通丸太町上るにある、日本バプテスト同盟の京都バプテス…

京都のヴォーリズ建築①【中京区・下京区編】

こんにちは、のら印です。 京都に現存している大好きなヴォーリズの建築を、エリア別、年代順に整理しておこうと思います。 その1回目として、商業地区である中京区・下京区エリアをとりあげます。 ウィリアム・メレル・ヴォーリズは、1905(明治38)…

良き「昭和」で時がとまっている下町・大阪西天下茶屋商店街

こんにちは、のら印です。 大阪市西成区の西天下茶屋商店街を訪ねてみました。 西成区には、よく「ディープ」と表現される商店街がたくさんありますが、それは昔の懐かしい時間がとまっているかのように、人の情感とともに残されているということかもしれま…

神戸西元町からレトロなビルを訪ね歩く~栄町通・乙仲通界隈~

こんにちは、のら印です。 阪神電車を利用して、西元町駅に来ました。 神戸元町といえば、幕末の開港時より海外の文化をとりいれつつ発展し、旧居留地を中心に明治や大正頃の異国情緒あふれる建築が多いことで知られています。 そんな中で、旧居留地ではなく…